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性交経験の無い方の超音波検査
現在は学校の春休み期間のため、中高生や大学生の受診が多い時期です。
月経痛や月経不順などで受診の場合、その背景に子宮・卵巣の異常(子宮内膜症や子宮・膣の形成異常など)がないかどうか調べる必要が有ります。
性交経験のある方には膣から捜査端子を挿入して観察する「経腟超音波検査」が骨盤内の異常を調べるために非常に有用な検査です。子宮・卵巣についてはMRI検査と同等の精度が有りながら、外来の診察台で、MRIよりも短い時間(数分)で安価に実施することができます。
性交経験の無い場合、腹壁の薄い小学生などではお腹の上から行う「経腹超音波検査」を実施します。中高生から大学生になりますと腹壁が厚くなり、子宮卵巣との距離も大きくなりますから、お腹の上からの検査では正確な情報が得られないことが多いのが現状です。
そのような場合、捜査端子を肛門から挿入して観察する「経直腸超音波検査」が有用です。膣からの検査と同等の画像が得られます。捜査端子は毎日出るお通じ(便)よりも細いので痛みはほとんどなく、皆さん会話をしながら検査が行えるレベルです。決して恐ろしい検査ではありませんので、必要な際はお受けになることをお勧め致します。
若年者の受診の場合、お母さんが付き添うことが多いのですが、お母さんが検査を怖がってしまうとお子さんも不安になります。その結果病変の見落としや、病変の発見に時間が掛かってしまう可能性も否定できません。
あるいは薬などでも粉の薬や漢方は飲めないと決めつけてしまう場合がしばしば見受けられます。漢方薬は、皆さんが思っている程苦い薬は多くはありません。多少苦みが有っても、漢方薬は体に合っていると「美味しく感じる」と言われています。古くから伝わる「良薬口に苦し」という言葉も貴重な教えです。また、お母さんが辛い物が苦手でも、案外お子さんは平気だったりします。お子様を心配するお気持ちは重々承知しておりますが、治療の幅を狭めてしまうことのないよう、切に願うばかりです。
貧血と言われている方へ
健康診断で貧血を指摘されたり、だるい・疲れやすい・動悸・息切れ・頭痛・めまいなどの症状をきっかけに貧血治療をされている方は多いと思います。
多くの貧血は鉄欠乏性貧血と呼ばれる貧血で、鉄分の摂取不足や出血などにより生じます。軽度の貧血は血液の材料となる鉄剤を飲むことで一時的には治りますが、さて、その貧血の原因は何だったのでしょう?
月経のある女性は毎月の月経(生理)で血液を失います。当科を受診される方の貧血の多くは子宮筋腫や子宮腺筋症により毎回の月経時の出血量が多くなることで生じています。筋腫や腺筋症は良性の疾患ですが、女性ホルモンによって進行するため、月経のある間は増大して毎月の出血量は増加していきます。出血の増大により生じた貧血であれば、鉄剤を飲むだけの治療は「穴が開いて水漏れしているバケツに水を継ぎ足している」様な状況です。穴(原因)を見つけて塞ぐ努力が必要となります。
出血量が多くなり婦人科を受診した時には既に子宮は手術をすべき大きさに育ってしまっていることがしばしば見受けられます。もう少し早く来て頂ければ手術をせずに閉経を迎えられたのではないかと思うこともしばしばです。
現在は月経を一時的に止めたり筋腫・腺筋症の進行をある程度抑える治療も可能です。毎回の出血量をある程度減らす治療も漢方を含め可能です。貧血と言われている方、鉄剤を飲むだけではなく、一度は婦人科で貧血の原因となる疾患(子宮筋腫や子宮腺筋症など)がないか検査されることをお勧めいたします。
子宮体癌検査は痛い検査?
不正出血などで来院された方には、子宮頸癌検査に加えて子宮体癌検査が必要になることが有ります。その旨をお伝えすると「痛い検査ですよね?」とのお返事を頂くことが多くあります。過去の経験であったり、お友達からもそう聞いている方も多いようです。中には、検査が怖くて受診を躊躇されていた方も少なからずいらっしゃいます。
子宮頸癌検査は子宮の出口を軽く擦る程度で殆ど痛みはありません。それに対して子宮体癌検査は子宮内に細胞採取器具(ブラシや樹脂製ループなど)を挿入して細胞を取ります。子宮内の操作や挿入時に多少の痛みを伴う可能性は有ります。
当院ではなるべく痛みの無い様に診察器具や採取器具を厳選し、そこに至るまでも細心の注意をもって行っております。
お陰様で「思ったいた程痛くなかった」「もう終わったのですか?」「全然痛くなかった」等のお声を頂いております。中にはどうしても痛みを生じてしまうことも有りますが、当院では絶叫したり失神しそうになる方はいらっしゃいません。性交経験がなくても実施可能な場合も有ります。
当院の子宮体癌検査は「それ程痛い検査ではありません」。
検査が怖くて受診を躊躇されている方、あまり怖がらずに受診して頂けましたら幸いです。
月経の移動について
そろそろ中学校・高校の修学旅行が始まる季節となりました。
旅行中結婚式などに生理(月経)が当たって欲しくない場合や
高校受験・大学受験、或はスポーツの試合や演奏会などの際に
月経が当たって普段の力が発揮できない方、
月経(生理)はその時期を移動させる(ずらす)ことが出来ます。
ピルや黄体ホルモンを使用することにより、
月経を本来の予定より早めたり、遅らせたりすることが出来ます。
クスリを一定期間服用し、飲み終わると数日で月経が来ます。
時間的に余裕が有れば大事な行事の前に月経を移動しておくことで
行事中はクスリを飲まずに過ごすことが出来ます。
月経周期が順調な方は予定の2~3か月ほど前に受診して頂けますと
余裕をもって対応することが出来ます。
飲み始めに軽い悪心・乳房の張り・浮腫みなどが出る場合が有ります。
月経周期の乱れや体調体質によってはうまく移動できない場合が有ります。
血栓症について心配される方もいらっしゃると思いますが
ご安心ください。
黄体ホルモン単剤で有れば血栓所リスクはほとんどないとされていますので
当院ではなるべくそちらを使用しております。
※更年期症状に呈してホルモン補充療法を実施する場合も
なるべく血栓症リスクの少ないものをお勧めしています。
どうぞご利用ください。
追伸:
1.学校の先生方は修学旅行中の生理中の生徒さんの扱いにも
慣れていらっしゃるので月経時に体調不良が無ければ
無理にクスリを飲む必要は有りません。学校ともよく相談確認されると良いと思います。
2.スポーツ競技の際にもピルはドーピング薬には該当しません。
タバコアレルギー・化学物質過敏症について
現代社会で生活を送る中で我々は様々な化学物質にさらされています。
中にはそれらの物質に対して体が過敏に反応してしまい、頭痛や倦怠感、不安、不眠など多岐にわたる症状があらわれる場合があり、「化学物質過敏症」と呼ばれています。
建築材のホルムアルデヒドや殺虫剤、香り付き洗剤、柔軟剤、インクなど原因物質も多岐にわたります。学校で使う給食着など、強い香りの柔軟剤などで洗濯すると苦手な人には辛いものがあり、「香害」などと呼ばれています。根本的な治療はなく原因物質から離れることが対策の基本です。
当院を受診される頭痛やめまいの方の中にも化学物質過敏症の方がいらっしゃるかもしれません。
実は私も柔軟剤・洗剤のニオイが苦手です。通勤途中に強い香りの洗濯物を干しているお家がありますが、息を止めて通り過ぎています。
そして最もダメなのがタバコのニオイです。いつの頃から苦手になり、最近では「ヘビースモーカー」の方が来院されると喉が痛くなり、咳が出て頭痛・動悸を生じます。口の中は変な味になり、頭痛とともに翌日夕方まで続くことも有ります。
そこで当院を受診される「ヘビースモーカー」の方へお願いです。当日は朝から(可能なら数日前から)喫煙を控えて頂き、衣類もなるべくタバコのニオイのしないものでご来院ください。
そして万が一危険なニオイを当方が感じた際には、診療中断という事態を避けるため素早くあなたと物理的な距離を取り、強力な換気扇を作動させる場合があることをご了承ください。
女性と家族のすみれクリニック 院長:須藤敦夫

